久々に投稿。
今日は家飲みの話じゃないけど、
会社での昼休み、何か胃の具合がよくないし
頭もボーっとする様な。何も食べたくない。
昨日日本酒を飲みすぎたのか?
天気いいなあ。あったかいし。
こんな時はこもっとらんで散歩だ!
幸い私の勤務先は郊外にあり、近くに川や公園がある。
元々はこの辺一帯田んぼだった名残で、農家も沢山あったりする。
目の前の車おびただしい国道を渡れば、大きい川があり、
そのほとりをそぞろ歩く。
川のせせらぎ。ほととぎすのさえずり。
国道のうるささが嘘のように遠くなる。
反対側は放置された農場。
うっそうとしてはいるが、鳥たちのいい憩いの場になっている。
道端の花たちも、暖かいお陽様を浴びて嬉しそうに咲き、
そよ風に揺れている。
ここを散歩するのはいつぶりかな。多分1年?
2年前の夏だよね、初めて歩いたのは。
早いなあ年月経つのは。
私も年取るわけさ。
さっきの大きい川に通じるのか、少し行くと
ちょろちょろと、本当に細く浅い小川のこみちがある。
その横も全部田んぼ。
小さく可憐な名前のわからない花々などに癒されながら、ゆっくり歩くと、
田んぼを仕切る塀の向こうに、農家の夫婦が座ってお茶をのんびり飲んでいる。
「塀」と言っても木枠に金属網をはめ込んだものだから全部通りから見えるのだが、
傍らに小さいワンコもいる。短い毛のお尻が柔らかそうで、子犬?
思わず塀に近づいてワンコをガン見(笑)
座っていたおばさんと目が合う。
おばさんは「あらこんにちは」と笑いかけてくれ、
私は「かわいいですね!!」(^O^)
おじさんも笑っている。いいなあ。
ワンコは胴輪もリードも付けられてなく、犬のままの姿で自由に田んぼを散歩している。いいなあ。幸せだなあ君は。
私も、君みたいな境遇にしてあげたい動物たちが、山ほど居るんだよ。
私は、動物をつなぐのが大嫌いだ。
今までいっぱい動物たちと暮らしてきたから、
どうしても都会の公共の場では動物自身の安全の為にも繋がざるを得なかったけど、
しばしば、人気のない原っぱに行ったりして、ワンコを放して走らせていた。
私のワンコは原っぱを見るなり、まだ車の中だというのにハアハア言って早く早くとせがみ、
いよいよ放つと勢いよく、転がるように走り回って、
時々立ち止まって私を見て、
「すごい嬉しい!!楽しい!!」と訴えてニコニコ笑った。
そのひと時は私にとっても至福の時間だった。
彼の幸せが、私の幸せなのだった。
そんな想い出を噛み締め、その農家のワンコが田んぼ散策から飼い主の足元にトコトコ戻ってくるのをニコニコ眺める。
こうやって、何も付けられず、何も人間に強制されず、ありのままの体で、
ヒトと家族然として暮らしているのを見ると、とても感動する。
そんな些細な事だったが、私の心は幸福に満たされて、更に歩く。
すぐに農協の直売所に着く。ここがお目当て。
地元野菜がお安く手に入るのだ。
ここの入り口にもまたワンコが居た。
可愛いからご挨拶に体を撫でると、とても喜んでお尻を振る。
買い物中の主を待っているらしい。
しかし、店に入ると、売り場に並んでいる物は、2年前の夏に来た時とは違っていた。
その時は唐辛子コーナーがあって、唐辛子マニアの私が喜ぶ、
色――んな種類のメキシコ系唐辛子が生で売られていた。
それが一個もない。
その時何種類か買ったら、レジで係りの女性が、
「あらーー、辛い唐辛子買って下さってありがとうございます」と言った。
そうか、こんなバカ辛いモノ買っていく日本人そうそういないんだろうな。(笑)
売れ残ったら廃棄するのかな....そしたら農家も作るのやめて...
と、色々心配したものだ。
しかしこの辺はインドや中東の外国人も多いから、そういう人たちにわかる様にどこかで売った方がいいだろう。
などと考えていたのだが、やっぱり無くなっていたか....。
とてもがっかりだ。
気を取り直して、地元で栽培されたシイタケを買おうとすると、
またまたレジの男性が、「こっちの方が安いよ」と、傍のカゴから別のを出してくれる。何でも、今朝入ってきたヤツは150円で、昼に入荷の方は230円。
どういうこと??
たかが数時間で鮮度そんな変わんないじゃん?
やっぱり、こうやって売れ残ったら廃棄するのだろうか....。
私はよく、規格落ちで市場に出なかったハネもの野菜を
破格で売っている所で野菜を大人買いしているが、
バブル期の辺りからではないだろうか。
虫食いや、何か変な形の野菜が無くなって、
みんな均一でピカピカした食品サンプルみたいなものしかスーパーに並ばなくなったのは。
日本の野菜果物は世界一と言われるが、
その陰で、こうやって規格外とされた変な形や傷の入った野菜たちは、闇に捨てられているのだ。
そもそも虫も食わんという事はそれだけ農薬も使っている事が多い。
これが日本の完璧主義の影で起こっている大問題なのである。
くるりんと尾を巻いた様なゴーヤとか、ひび割れた傷の入ったナスとか、
10個位の不均一な房がボコボコ付いて球根形ではなく何か面白い事になっちゃったニンニクとか、
見た目ヘンなだけで味も品質も素晴らしい野菜たちを、私は台所で有難く刻むのだ。
フードロス。飽食日本。色々考えてしまう。
いやいや、四の五の言ってないで、
よーし、オジサン、そのカゴ丸ごと買うわ!!
とか言っちゃえるほどのリッチな女になりたいなあ。
現実はしょぼく一袋買い、バッグにしまう女がそこにいた。
て、そもそもそんなに持って帰れんしな。
帰り、またさっきの農家の塀の中を覗くと、
おじさんおばさんの他にもう一人おじさんが増えていて、談笑していた。
その足元で、あの幸せなワンコは四肢を伸ばして土でお腹を冷やしている様で、
ヒト3人と一体化して完全に家族になっている。
ずっと、幸せでね(^_^)
と心の中で願いつつ、小川を越えたら
来た時とは違うルートで、真っ直ぐ進む。
左側もまた別の畑で、ポピーや他の花が咲き乱れていて、本当に気持ちいい。
ベンチではワンコと一緒におじさんがのほほんと座っている。
ワンコは暑そうだが、いい光景だ。
大きい川まで来ると、毎日乗っている電車の鉄道橋がかかっていて、
これは私の好きな「トラス橋」である。
電車がそこを走ると、なかなかいい眺めで、
特に夕焼けをバックに電車がここを通過する様は、萌える。(笑)
営業車がこの川沿いの、誰も通らないような道の木陰で休んでいる。
いいなあ。私も、車に乗るような仕事がしたい。
ひとりになりたい...。
車に乗ってどこか遠くへ行きたい。
車を手放して5月でちょうど2年が経つ。
運転への執着は解けたものの、時々無性に乗りたくなる。
ちょっとだけ、胸が苦しくなるような気がした。
また、ほととぎすが鳴いている。
神は、こんなにも美しい音楽を喉で奏でる可憐な生き物を、創作したのだから、
私達はそれを傷つけないよう、守っていかなければならないのだ。
また、来た時の大きい橋を渡ると、まるで次元を超えたかの様に、
行き交う車の喧騒が聴こえてきたのだった。